虫歯のため抜歯になったり、親知らずの抜歯をした際に、抜歯当日はお酒を飲んでも大丈夫なのかご説明します。
抜歯後のお酒は大丈夫?
抜歯当日の飲酒に対しては、痛みや腫れが酷くなければ、少し飲んでも大丈夫とおっしゃる先生もおられるのですが、当院では基本的に禁酒をお願いしています。
それは、お酒を飲むと血管が膨張しますので、出血を起こしやすい状態になるからです。出血がなかなか止まらないと患者さんも辛いですし、傷の治りが遅くなり、細菌への感染も懸念されます。
抜歯後は出来るだけ患部に刺激を与えず、一度止まった出血が再出血することのない湯に、お過ごし頂きたいと思います。
安全に過ごすためには、2~3日の禁酒が望ましいです。
歯を抜いた後はいかにスムーズに治癒させるかが大切
親知らずの抜歯は、健康な奥歯を抜くため、抜いてからしばらくの間は大きな傷口が生じることになります。そのため、抜歯後には様々な生活上の注意点があります。
どの注意点も、傷口を早く塞いで治癒させるためのものですので、出来るだけ守って安心してお過ごし頂きたいと思います。
抜歯当日にお酒以外に気をつけることは?
抜歯後は、飲酒以外にも気をつけることがあります。2~3日気をつけて頂ければ、その後は普段通りの過ごし方に戻して頂いても、順調に治癒していく方が殆どです。
食事の注意
- 初めての食事は麻酔がきれてから
- 硬い食べ物は避ける
- 刺激のあるものは避ける
歯磨き、うがいの注意
- 強くうがいをしない(血餅が剥がれてしまう)
- 口をゆすぎすぎない(出血が止まりにくくなる)
- 歯ブラシが当たらないようにする
入浴、運動の注意
- 長風呂は避ける。シャワーにした方が良い
- 激しい運動は避ける
その他の注意
- 傷口を舌で触らない
- 出された薬は全て服用する
- 喫煙を控える
抜歯の場所によって術後の出血や痛みは違うの?
前歯と奥歯では、歯の根っこの本数が違います。前歯(1~3番目の歯)の根は1本だけで、歯の中に通っている根管も1本だけです。そのため、抜歯や、神経を取る根管治療も、比較的スムーズに行うことが出来ます。
小臼歯と呼ばれる、奥歯の中でも手前にある歯(4~5番目の歯)の場合は、根は1~2本で、2本の場合でも根の先の部分だけが2本に分かれている形になっています。根管は2本であることが多いものの、枝分かれしている場合もあり、前歯よりは複雑な形をしています。
そして大臼歯と呼ばれる奥歯(6~7番目の歯)の根の数は3本です。根管は3~4本あり、根や根管が歪曲していることが多いため、抜歯も根管治療も難易度が高くなります。
このような、歯の根の数の違いから、奥歯の抜歯は抜いた後の穴が大きく、前歯と比べて治るのにも時間がかかる場合が多いです。
また、親知らずの場合は、歯茎に完全に埋まっているケースでは歯茎を切開する必要があり、抜歯が困難で、大学病院の口腔外科をご紹介することもあります。
抜歯後の飲酒に関するQ&A
抜歯後の飲酒は控えた方が良いです。血管の膨張により出血が起こりやすくなり、傷の治りが遅れる可能性もあるため、2~3日の禁酒が望ましいです。
入浴では長風呂を避け、シャワーにすることが良いです。激しい運動も控え、傷口に刺激を与えないように心掛けることが大切です。
前歯と奥歯では歯の根っこの本数が異なり、奥歯の抜歯はより複雑で大きな穴ができるため、治りに時間がかかることがあります。また、親知らずの場合は特に注意が必要で、口腔外科が必要な場合もあります。
まとめ
抜歯後の飲酒についてご説明しました。アルコールが体内に入ると血管の拡張を起こすため、抜歯後の傷から出血しやすくなります。出血が続くと傷の治りが遅くなるため、抜歯後はお酒の他、入浴や激しい運動など、血行が良くなるようなことは避けていただく方が良いです。