歯を失った時の治療法の一つがインプラントです。インプラント治療が向く人にはどういう特徴があるのかご説明します。
インプラントに向いている人
「インプラントにしたい」と思っても、インプラント治療は誰でも受けられるわけではありません。まず、インプラントに向いている人はどんなタイプの人なのかご説明します。
- 入れ歯が合わない方
- 残っている歯に負担をかけたくない方
- しっかり噛めるようになりたい方
- 歯磨きなどのケアを簡単にしたい方
- 自然な見た目にしたい方
- ブリッジには出来ない方
- 顎骨がしっかりしている方
1.入れ歯が合わない方
入れ歯が合わない方のお悩みで比較的多いのは、「違和感がある」「噛めない」というものです。
入れ歯の違和感は人それぞれですが、奥歯の場合は吐き気を感じる方も多く、付ける度に気分が悪くなるので、入れ歯を使うのが嫌になってしまったという方もおられます。
また、入れ歯が歯茎の形にピッタリ合っていないと、噛んだ時に痛みが出たり、食べ物が挟まって痛いということが起こります。
「もう入れ歯は嫌だ」と思った時には、インプラントが有力な選択肢となります。
2.残っている歯に負担をかけたくない方
インプラントはそれ自体が骨に自立しており、他の歯に支えられて機能しているわけではありません。そのため、他の歯に負担をかけません。
ブリッジは両隣の歯を削る必要がありますし、入れ歯も周囲の歯にバネをかけるため、バネをかけた歯を傷めてしまいます。
3.しっかり噛めるようになりたい方
インプラント体はチタン製で、骨に埋め込まれて数か月経つと、骨としっかり結合する性質があります。そのため、しっかりと力を入れて噛むことが可能になります。
入れ歯やブリッジの場合は、噛む力はかなり弱くなります。
4.歯磨きなどのケアを簡単にしたい方
インプラントは天然歯と同じように歯磨き出来ます。ただし、歯周病が大敵なので、歯磨きなどのケアを丁寧にする必要があります。
入れ歯の場合は毎食後に外して丁寧に洗わないと、雑菌が繁殖して口臭のもとになってしまい、相当丁寧に洗っても樹脂に染み込んだ汚れが取れず、外した後はいつも強い臭いがすることがあります。
5.自然な見た目にしたい方
インプラントは歯茎の上に見えている部分が天然歯そっくりなので、インプラントをしていることが他人にはわかりません。
部分入れ歯の場合は、安定させるために他の歯にバネ(保険治療では金属製のバネ)を引っ掛ける必要がありますので、どうしてもその部分が見えてしまいます。
自然に見えるという点では、インプラントが最適です。。
6.ブリッジには出来ない方
ブリッジもまた、歯を失った時の治療方法の一つです。ブリッジは失った歯の両隣の歯を削って土台を作り、3本繋がった形の人工歯を橋のように装着する治療です。
そのため、土台の歯はしっかりとした歯でないと、ブリッジを支えることが出来ません。また、一番奥の歯を失った場合は、両隣の歯を土台にすることが出来ないため、ブリッジをかけることが出来ません。
7.顎骨がしっかりしている方
インプラントを骨に埋め込むためには、その部分に十分な骨の量が必要になります。
歯で噛む刺激によって骨に力が加わると、細胞が活性化して骨の量が維持されます。しかし、歯を失ってしまうと、その部分に噛む時の刺激が伝わらないため、骨量が少しずつ減っていき、骨の量が十分にない場合、インプラント治療が難しくなります。
インプラント治療とは
虫歯や歯周病で歯を失うと、その部分では噛めなくなりますので、歯を補うための治療が必要になります。インプラントは失った歯の骨の部分に小さなネジの形をしたインプラント体(人工歯根)を埋め込んで、その上に上部構造(人工の被せ物)を装着する治療です。
歯茎から下にはチタン製のインプラント体が埋め込まれ、歯茎から上の部分に見えるのは上部構造のみです。上部構造はセラミックで作られる場合が多く、天然の歯と変わらない自然な形や色調が再現できますので、インプラントだとご本人が言わない限り、前歯であっても、周囲の方はインプラントだと気づかないと思われます。
また、インプラント体は骨にしっかりと固定されますので、天然の歯のように良く噛めることもインプラントの特徴の一つです。
インプラント治療が向いている人に関するQ&A
インプラント治療では、失った歯の骨に小さなネジ状のインプラント体を埋め込み、上部に人工の被せ物を装着します。インプラント体は骨にしっかりと固定され、上部構造はセラミックで作られ、自然な見た目を再現します。
インプラント治療の特徴は、インプラント体が骨に固定されるため、天然の歯のように良く噛むことができることです。また、上部構造が自然な形や色調を再現できるため、他人にはインプラントと気付かれにくくなります。
インプラント治療は以下のような方に向いています。
・入れ歯が合わない方
・残っている歯に負担をかけたくない方
・しっかり噛めるようになりたい方
・歯磨きなどのケアを簡単にしたい方
・自然な見た目にしたい方
・ブリッジができない方
・顎骨がしっかりしている方
インプラントはチタン製の体で骨と結合するため、しっかりとした噛む力を取り戻すことができます。入れ歯やブリッジと比べると、より自然な噛み心地を得ることができます。
ブリッジは隣接する歯を土台にするため、歯がない箇所には適用できません。そのような場合、インプラントが有力な選択肢となります。
まとめ
インプラント治療が向いている人は、以下のような特徴のある方です。
- 入れ歯が合わない方
- 残っている歯に負担をかけたくない方
- しっかり噛めるようになりたい方
- 歯磨きなどのケアを簡単にしたい方
- 自然な見た目にしたい方
- ブリッジには出来ない方
- 顎骨がしっかりしている方
これら以外にも、「初めて歯を失った方」「生まれつき永久歯の数が足りない方」などにもインプラントはお勧めできます。インプラント治療に興味のある方は、まず骨量などの検査をし、担当医としっかり話し合って治療をお決めください。