子供の歯が抜けたら、どうすればよいのでしょうか? 保管しておくべきか、保管の必要はないのか、ご説明します。
子供の乳歯が抜けたらどうする?
通常、子供の歯はおよそ6歳前後から抜けて永久歯に生え変わっていきます。12歳頃にはすべての乳歯が永久歯に生え変わっています。12歳を過ぎても、まだ乳歯が抜ける気配がない方は歯科医院への受診をおすすめします。
子供の歯が抜けるのは喜ばしいことですが、抜けた子供の歯をどうすべきか、悩まれるご両親もおられるでしょう。
子供の乳歯が抜けた場合の風習・言い伝え 日本の場合
昔、上の乳歯は縁の下へ、下の乳歯は屋根の上へ投げるという行動が、日本では一般的でした。上の歯を下へ、下の歯を上へという風習は、「抜けた後に生える上の歯が下へ向かって健やかに生えますように」ということを願って縁の下に投げていたようです。下の歯もそのような願いから屋根の上に投げるようになっていたと考えられます。
子供の乳歯が抜けた場合の風習・言い伝え 海外の場合
イギリスやアメリカなどでは、抜けた乳歯を枕の下に置いて寝ると、夜中にトゥースフェアリーという妖精がやってくるという言い伝えがあります。トゥースフェアリーは子供の歯をもらい、代わりに硬貨や紙幣を枕に置いて家に帰っていくそうです。サンタクロースと似ています。
ちなみに近年のアメリカのトゥースフェアリーの相場は4ドル前後らしく、歯の抜けた子供はトゥースフェアリーからのお金を、貯金やお小遣いにして大事にするそうです。
子供の乳歯が抜けたらこんな保管方法はいかが?
屋根に向かって投げたりするのではなく、子供の歯が抜けたら保管しておきたいという方も多いでしょう。100円均一のピルケースや、アクセサリー用のギフトボックスなどで、歯の保管は可能です。綺麗に洗浄して、水分を拭いて収納しましょう。
思い出としてきちんと保管したい場合は、乳歯ケースという商品があります。桐の箱(抗菌・防湿に優れた性質)で作製されていて、商品によっては歯の抜けた日を書くスペースや、体重や名前を蓋に印刷したり、写真を入れられる商品もあり、お子さんとの思い出になるため、購入される親御さんも多いようです。
抜けた子供の乳歯が将来役に立つかも?
抜けた歯をたまたま思い出として保管していたら、思わぬところで役に立つかもしれません。今、再生医療という分野が進歩を遂げています。衛生的に洗浄・保管という点がなかなか難しく、現在では子供の抜けた歯にある歯の細胞が役に立てる状況ではありませんが、お子さんが大きくなった時には、ひょっとすると再生医療で歯が役に立つ可能性があります。
子供の乳歯が抜けたときの保管に関するQ&A
通常、子供の歯はおよそ6歳前後から抜け始めます。12歳頃にはすべての乳歯が永久歯に生え変わっています。
12歳を過ぎてもまだ乳歯が抜ける兆候がない場合は、歯科医院を受診することをおすすめします。
現時点では子供の抜けた歯の細胞は再生医療で利用されることはありませんが、将来的に再生医療の進歩により、抜けた歯が役に立つ可能性があるかもしれません。ただし、衛生的な洗浄と保管が重要です。
まとめ
子供の乳歯が抜けたら、保管しておくことをおすすめします。また、乳歯の歯並びが悪く、永久歯の歯並びをきれいにしたいと思われる場合は、お子さんのあごが小さいということも考えられるので、一度カウンセリングへご来院ください。成長に合わせた矯正治療をご提案します。
乳歯の保管に関する直接的な研究は見つかりませんでしたが、乳歯の取り扱いや保存に関連する一般的な概念を提供する研究があります。例えば、乳歯の根管治療における回転器具の使用に関する研究では、乳歯を生理的脱落まで口腔内に保持することの重要性が強調されており、根管治療(プルペクトミー)が乳歯の機能を保存するための成功した方法として示されています【İnci Kırmızıgül et al., 2019】
また、先天性欠如歯を持つ患者における咬合リハビリテーションに関するシステマティックレビューでは、乳歯の保存と乳歯に代わる従来の補綴物、歯の自家移植、歯科インプラントの一般的な結果について評価されています【H. Terheyden & Falk Wüsthoff, 2015】
これらの研究から、乳歯の保管の必要性についての直接的な情報は得られませんでしたが、乳歯を適切に管理し、必要に応じて治療することの重要性が示されています。乳歯が抜けた後の保管に関しては、特定の状況下で科学的研究や臨床応用のために保管する場合がありますが、一般的な家庭での保管は主に感傷的な価値や記念品としての意味合いが強いと考えられます。乳歯の保管を考慮する際には、衛生的な方法で保管し、適切な環境を維持することが重要です。