50代で総入れ歯をおすすめされるのは嫌だと思われる方も多いでしょう。50代で総入れ歯とならないための予防法や、他の方の総入れ歯の年齢などを詳しくご紹介します。
50代で総入れ歯になるのを予防するためには
50代で総入れ歯を予防するためにはどうすれば良いでしょうか。それは、下記を守ることが大切と考えます。
- 歯科医院で定期的にメインテナンスを受診する
- 健康な歯を大切にする治療法を選択する
- 態癖がある方は治し方の指導や処置をしてもらう
1. 歯科医院で定期的にメインテナンスを受診する
痛みが出てからの通院ではなく、むし歯や歯周病になっていないか、歯や歯肉を健康に保てているかを確認するため歯医者さんへ通院しましょう。正しい歯磨きのやり方とブラッシングで注意すべきポイントなどを歯科衛生士さんに教えてもらえます。
2. 健康な歯を大切にする治療法を選択する
虫歯で抜歯が必要となった場合、義歯治療をおすすめされますが、ブリッジと入れ歯は他の残存歯に影響を及ぼします。ブリッジは支台の歯を削り連結した人工歯を被せるため、支台歯の歯質が弱ってしまいます。部分入れ歯は金属のバネを支台歯にかけるため支台歯が弱り、総入れ歯の場合は噛む刺激が伝達せず顎の骨が痩せてしまい、脳にも伝達されないため認知症などのリスクも増えてしまいます。一方、インプラントは人工歯根を歯茎に埋入し、人工歯を立てる治療法のため他の残存歯に影響は及びません。
3. 態癖がある方は治し方の指導や処置をしてもらう
態癖とは、日常生活で無意識下に行っている癖や習慣です。歯科に限定すると、指しゃぶり・爪を噛む・頬杖・歯ぎしり・食いしばり・うつぶせ寝などが挙げられます。いずれも歯並びや顎、噛み合わせに影響を与えがちですが、特に歯質を弱くしそうな態癖は歯ぎしり・食いしばりです。上下の歯を睡眠時や無意識下にカチカチと強い力で噛み合わせているため、ナイトガードを歯科で作製し、就寝前に装着しておかなければなりません。
入れ歯のなにが嫌?
入れ歯は義歯治療の種類の一つです。保険適用で作製できる入れ歯から、保険適用外の自由診療で作製できる入れ歯もあります。上顎や下顎の全部の歯を失った場合、インプラントか総入れ歯の選択となります。しっかり咬めるインプラントは自由診療の治療に該当するため、費用が高くなります。
入れ歯のデメリット
入れ歯は保険適用内で作製すると、インプラントと比べて自己負担額が低いメリットがありますが、総入れ歯や部分入れ歯が嫌と思われるデメリットは、見た目です。
- 部分入れ歯の場合は金属のバネが見えてしまい、入れ歯と見た目でわかってしまう
- 総入れ歯や部分入れ歯の人工歯や歯肉が残存歯と比べて噛むと不安定で食事の際によく噛めない
入れ歯を装着する人の年齢とは?
厚生労働省が天然歯の喪失と年齢について2016年に行った全国調査によると、前期高齢者(65~74歳)が平均20本前後なのに対して、後期高齢者(75歳~)は平均16本しか歯を保持していないというデータがあります。1980年頃の歯の保持数は、前期高齢者が平均10本以下、後期高齢者が平均5本以下というデータがあります。
その頃に比べれば、現在の高齢者は自身の歯を保持できる割合が高くなっていますが、永久歯は28本生えるため、後期高齢者の方がおおよそ半数以上の歯を失っているという事がわかります。それに伴い、いずれかの義歯(入れ歯、ブリッジ、総入れ歯)を使用する後期高齢者はおおよそ8割を超えているというのが調査で判明しています。
50代の総入れ歯の割合
では、50代に限って入れ歯を装着している方の割合はどれくらいでしょうか。
50~54歳
インプラント1.4%・総入れ歯0.9%・部分入れ歯6.3%・ブリッジ34.4%
55~59歳
インプラント2.8%・総入れ歯1.6%・部分入れ歯10.6%・ブリッジ46.9%
50代の方は、残存歯があれば部分入れ歯よりブリッジを選択する方が多く、入れ歯を装着するというのに躊躇われる年代ということがわかります。
50代で総入れ歯になるのを避ける方法に関するQ&A
50代で総入れ歯になるのを予防するためには、次の方法が重要です。
・歯科医院で定期的なメインテナンスを受ける。
・健康な歯を大切にする治療法を選択する。
・態癖がある場合は指導や処置を受ける。
入れ歯を避ける方法として、インプラントや部分入れ歯の選択、定期的な歯科メンテナンスを受けること、健康な歯を大切にする治療法の選択、態癖の指導や処置などが考えられます。
まとめ
50代で総入れ歯を防ぐためには、毎日のご自身のセルフケア、定期的にプロによるメンテナンスが大切です。どうしても加齢により歯周組織は衰えてしまいます。天然歯を長く健康に使い続けるよう予防に注力しましょう。そして、歯を失った際にはなるべく早く義歯治療を行うことをおすすめします。