正しく食べ方、噛み方で咀嚼することは口周りの筋肉を使うため、歯並びと口元の印象にも影響します。歯医者がおすすめする食べ方や噛み方についてご説明します。
噛むことは全身の健康に繋がっている
毎日の食事の際には何気なく歯を動かしている方が大半だと思います。無意識のうちに行っている咀嚼ですが、お一人おひとり噛み方に癖があり、口周りの筋肉や舌、歯の動かし方が個人個人で異なります。それによって顔の筋肉のつき方や硬さが決まり、子どもの場合は骨の発育や歯並びにも影響します。
良く噛んで食べることは消化に良いだけでなく、噛むことで脳が刺激され、血流が良くなるなどの様々な反応が起こり、全身の健康状態にも良い影響を与えます。
歯はその位置と形にそれぞれの役目があります。左右の両顎でバランスよく噛んで食べると食べかすが一ヶ所に固まることがなく、虫歯のリスクが減ります。逆に左右どちらかでばかり噛む癖があると、片方だけ虫歯のリスクが高まり、頬の筋肉も片方だけが発達する可能性がありますのでご注意ください。
正しく噛むためのポイント
・ひと口で噛む量を程々の大きさにする
口に自然に入る大きさにすることで、噛みやすく、飲み込みやすくなる。
・大きなものは前歯と犬歯で噛み切る
犬歯は歯の根っこ(歯根)が深いため、強い力でものを噛み切ることが出来ます。噛み切ったあと奥歯に食べ物を送るとスムーズに飲み込むことが出来ます。
・噛んでいる間は口を閉じて鼻呼吸する
お口を閉じて鼻で呼吸しながら噛むと、唾液が出やすくなります。噛むときは良く噛んで歯、頬、お口の周りの筋肉をしっかり使いましょう。
お口ポカンは口呼吸の疑いあり
最近のお子さんで多いのが、口が前に突出していてずっとお口が開いている「お口ポカン」のお子さんです。お口ポカンの子は口呼吸になっている場合が多く、いつもお口が開いています。
お口ポカンは見た目がだらしないだけでなく、お口がいつも開いているため口内が乾燥して細菌が発生しやすく、虫歯になりやすい環境になってしまいます。
お口ポカンは無意識で起こっているため、いつも鼻呼吸を意識するようにし、食事の時も口を閉じて噛むようにトレーニングする必要があります。お子さんが小さいうちにトレーニングを始めると口呼吸の癖が治りやすいため、お子さんの口呼吸に気づいたらできるだけ注意してあげるようにしましょう。
大人になると口呼吸に限らず、なかなか癖を治すのは難しいものですが、大人の口呼吸も治る可能性がゼロではありませんので、まずは口を閉じて食事することから始めましょう。
歯を長持ちさせるための噛み方
健康な歯を長持ちさせるためにも噛み方は大切です。永久歯は一生使うものですので、正しく噛んでなるべく歯へのダメージを減らし、長く大切に使っていきましょう。
- 左右でバランス良く噛む
- 硬い食べ物を食べすぎないようにする
- 歯ぎしり・食いしばりなどの癖をなおす
- 前歯に負担をかけすぎないようにする
歯医者さんがおすすめする食べ方や噛み方に関するQ&A
正しい噛み方のポイントは以下の通りです。ひと口で程々の大きさにすること、大きなものは前歯と犬歯で噛み切ること、噛んでいる間は口を閉じて鼻呼吸をすることです。これらのポイントを守ることで、効率的な咀嚼と口周りの筋肉の適切な使用を実現できます。
噛むことは、消化を促進するだけでなく、脳を刺激し血流を良くするなど、全身の健康に様々な良い影響を与えます。また、顔の筋肉のつき方や硬さにも影響し、子供の場合は骨の発育や歯並びにも関連しています。
歯を長持ちさせるためには、左右でバランス良く噛むこと、硬い食べ物を過剰に摂取しないこと、歯ぎしりや食いしばりなどの癖を治すこと、前歯に負担をかけすぎないことが重要です。これらの噛み方のポイントを守ることで、歯のダメージを最小限に抑えて健康な歯を長く保つことができます。
まとめ
噛むことは無意識に行っている場合が殆どで、正しい噛み方を意識することはあまりないかもしれません。しかし歯の健康のためには正しい噛み方をぜひ身につけて頂きたいと思います。