虫歯になる場所はだいたい決まっています。つまり、虫歯になりやすい場所があり、その場所を重点的に歯磨きすれば効果的な虫歯予防が出来ます。虫歯の出来やすい場所についてご説明します。
どの歯が虫歯になりやすいの?
最も虫歯になりやすい歯は奥歯で、虫歯になりやすい順番はだいたい下記のようになっています。
虫歯になりやすい順番
- 第一大臼歯
- 第二大臼歯
- 第一小臼歯、第二小臼歯
- 犬歯、側切歯
上下の歯の虫歯になりやすさは、奥歯は上下であまり差はありませんが、やや上の奥歯の方が虫歯になりやすいようです。犬歯や前歯は上の歯に虫歯が出来やすい傾向があります。もちろんそれ以外の歯に虫歯が出来ないわけではありません。
ちなみに、親知らずは最も虫歯になりやすい歯ですが、親知らずが生えてこない方もおられるので除外します。
虫歯が出来やすい箇所
虫歯ができやすいところは、一般的には歯垢が付きやすく取れにくい場所です。つまり、歯磨きをしても磨き残しの起こりやすい
- 大臼歯の噛む面にある溝
- 歯と歯の間
- 歯と歯茎の境目
などです。
奥歯の虫歯が出来やすい箇所
大臼歯は他の歯よりも大きく、噛む面も広い面積をもっています。奥歯には凹凸があり、細かく複雑な形の溝があり、溝の奥には歯ブラシの毛先が届きにくく、歯垢がのこったままになりがちです。
奥歯の虫歯は、噛み合わせの面に出来やすく、細くて複雑な形をしている溝には歯垢がたまりやすく取れにくいため要注意です。
奥歯の外側のひだの部分も虫歯になりやすい場所です。奥歯の噛む面や奥歯の側面は、歯ブラシで良く磨いている部分だと思います。この部分が虫歯になってしまうのは、歯の外側にはあまり唾液がいきわたらず、唾液の洗浄作用が働きにくいから、汚れや細菌がとどまりやすくなってしまうのです。
前歯の虫歯が出来やすい箇所
前歯の虫歯は歯茎に近い部分と、歯と歯の間です。歯と歯が隣り合って歯茎に接している部分は逆三角形のような窪んだ形をしています。そのため、歯冠に歯ブラシが届きにくく、磨き残しが生じやすくなります。
歯と歯茎との境目には、約1~3ミリ程度の深さの溝があります。この部分は磨き残しになりやすい場所です。虫歯だけではなく歯周病の原因となる歯石が出来る部分でもあります。
前歯の外側も、唾液が行き渡りづらいため虫歯になりやすい箇所です。
他にも注意が必要な部分
歯肉が加齢や歯周病で少しずつ下がり、歯の根の象牙質の部分が露出した部分は、エナメル質よりもやわらかく虫歯が進行しやすいため、注意が必要です。
天然の歯の構造は図のようになっており、歯茎より下の部分にはエナメル質がありません。エナメル質は人体の中で最も硬い部分で、虫歯から歯を守ってくれるのですが、エナメル質がない歯ぐきから下の部分の象牙質がむき出しになると、虫歯には大変弱くなってしまいます。
詰め物・被せ物などで治療した歯
虫歯治療で詰め物や被せ物をした歯は、材料と歯の境目の部分に虫歯が入り込んでしまうと、内部で再び虫歯になってしまいます。
銀歯は特に段差が出来やすく、二次虫歯になるリスクが高いといわれていますので、この部分は特に丁寧に歯磨きをしましょう。
歯磨きしても虫歯になるのはなぜ?
毎日必ず歯磨きをしていても、虫歯になることがあります。それは、虫歯になりやすい場所がきれいに磨けておらず、歯垢が残ってしまっているからです。
歯磨きをしていても汚れが残ったままになってしまうと、磨き残しを栄養にしてその部分に細菌が繁殖します。その細菌の中に虫歯菌が混じっていると、虫歯になってしまいます。
虫歯になりやすいところをしっかり意識してブラッシングして、毎日のケアをしていきましょう。
まとめ
虫歯になりやすい箇所がわかれば、その部分を特に丁寧にケアすることが虫歯予防に繋がります。虫歯を自分で発見するのは難しく、痛みがない場合でも肉眼で見えない部分で虫歯になっている部分があるかもしれません。歯の治療は早ければ早いほど時間も費用も少なく済みますので、歯医者での定期健診を一年に数回受診されることをおすすめします。