インプラント

ソケットリフトとは?

ソケットリフトとは?

ソケットリフトが必要と言われてもどんな処置か、どんな特徴があるのかについて知らない方は多いと思われます。今日はソケットリフトについて詳しくご説明いたします。

ソケットリフトの基本的な仕組み

クレスタルアプローチと呼ばれることがあるソケットリフトは、上顎の骨に十分な厚みがなくインプラント治療が不安定になり得る方のために行う増骨の処置です。上顎の奥歯付近にインプラントを埋め込む際、骨が不十分ではインプラントの固定が難しく、ぐらぐらと脱落する可能性があります。インプラントを支えるために骨の量を増やすことで、しっかりと固定され、長期的な安定性が保たれます。ソケットリフトを検討する基本的な条件として、骨の高さが3mm以上あり、歯1本分の骨の量が足らない患者さんへ行います。

骨の厚みが3mm以下で多くの歯を欠損している方や、骨の量が極端に少ない方には、サイナスリフトという処置を行います。ソケットリフトとの違いは骨を造るために手術をする範囲が広く、上顎洞を露出させて行うことから、ソケットリフトより長く治療期間がかかります。

なぜソケットリフトが必要なの?

上顎の骨が薄い方は、インプラント治療をそのまま行うのが難しいケースがほとんどです。なぜ、ソケットリフトが必要なのでしょうか。

上顎の骨が薄い

歯が抜けて時間が経ってしまうと、咀嚼の為の刺激が伝達されず、顎骨が吸収され痩せてしまい、インプラントを埋め込むのに必要な骨量が確保できないことがあります。特に、上顎は上顎洞という空洞があるため、下顎に比べて骨が薄くなりやすく、ソケットリフトが必要となることが多いです。

副鼻腔が近い

先述しましたが、上顎の奥歯の上には副鼻腔の一種である上顎洞があります。上顎洞の大きさには個人差がありますが、この空洞が大きいとインプラントを埋め込む際に骨の支えが足りなくなるため、骨を増やさなければなりません。

ソケットリフトについての流れ

ソケットリフトの治療の流れをご説明します。

  1. 手術中に痛みを感じないように局所麻酔を使用する
  2. インプラントを埋め込むための穴(ソケット)を形成する
  3. 上顎洞と歯槽骨の間にある上顎洞粘膜(シュナイダー膜)を傷つけないようギリギリまで穴を開ける
  4. 穴を開けた部分から骨補填材を挿入してお口の中から上顎洞底部を持ち上げる
  5. インプラント(人工歯根)を埋入するかどうかは骨の状態で決める
  6. 腫れや痛みが数日間続く可能性があるため、歯科医師の処方で抗生物質や鎮痛剤を服用する

オステオトームとピエゾサージェリー

最近ではオステオトームという方法ではなく、ピエゾサージェリーという三次元超音波振動の機械を使用する方法もあります。当院にも設置しているピエゾサージェリーは、硬い骨のみを振動で切削することが可能で、軟組織(皮膚や粘膜)を傷つけずに安全に切除できます。オステオトーム法はオステオトームという器具をマレットという槌で打つため、音が怖いと感じたり、手術の際の身体の負担がピエゾサージェリーに比べて大きいです。一方、ピエゾサージェリーは超音波振動で骨を切除するため、体の負担が少ないです。

ソケットリフトのメリットやデメリット

ソケットリフトのメリットとデメリットについてご案内します。

メリット

骨が不足している場合でも、骨補填材を用いるソケットリフトを行っていると、インプラントを安全に埋入することができます。骨の高さができるため、インプラントは長期的に見ても非常に成功率が高いとされています。インプラントがしっかりと固定されれば、自然な噛み合わせを回復し、食事や会話の際に安定します。

デメリット

手術後には腫れや痛みが生じる可能性があり、これらは通常、数日で収まりますが、個人差があります。ソケットリフトはインプラントとは別に追加の処置であるため、インプラント治療全体の費用が高くなる傾向があります。骨補填材が定着して骨が増えるまでに数ヶ月かかることがあるため、インプラント治療の全体的な期間が延びることもあります。

ソケットリフトの際の注意点

ソケットリフトはインプラント治療の一環ですので、歯科医師とよく相談し、ソケットリフトが必要か、治療計画をしっかりと立てることが重要です。手術には感染のリスクがありますが術後ケアを行えば、リスクを最小限に抑えることが可能です。ただし、持病や喫煙習慣がある方は、手術後の治癒が遅れる可能性があるため、事前に医師に相談しましょう。手術後は指示に従ってメインテナンスを定期的に受診して、術後の合併症を防ぐことが大切です。

まとめ

ソケットリフトがどのような治療法であるか、その具体的な流れやメリット・デメリットについてご紹介しました。ソケットリフトは骨不足を解消してインプラント治療を成功に導くための重要です。治療計画と定期的なメインテナンスを通じて、健康的な歯と噛み合わせを取り戻しましょう。

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