部分入れ歯で金属のバネなしの種類を保険適用できるかと聞かれることがあります。金属のバネなしの入れ歯とはどのようなものかご紹介します。
保険適用でバネなしの入れ歯は可能？
入れ歯で数本の歯を補う場合は部分入れ歯、全部の歯を失っているならば総入れ歯となります。バネのある入れ歯は部分入れ歯となります。
保険適用の部分入れ歯は金属のバネ（留め具・クラスプ）を隣の歯に引っ掛けるような形状です。そのため、金属のバネが他人から見えてしまい、それを気にされて他の審美性の高い治療を希望される方がおられます。最近では、金属のバネのない入れ歯（ノンクラスプデンチャー）を取り扱う医院も多いです。ただし、バネなしの入れ歯は保険適用については、残念ながら保険適用外、自由診療の対象になります。
ノンクラスプデンチャーは金属のバネはありませんが、その代わりに歯茎とよく似た色の樹脂で出来たバネのような形状のツメがあります。
健康保険で定められているのは
健康保険の適用内で行う医療とは、健康増進という目的で機能の改善などにおける最低限の必要な治療を行うというものです。つまり、審美性を高めるという目的である以上、健康保険の対象から外れてしまいます。では、保険適用内で入れ歯を作製する場合はどうなるか、主なポイントをご説明します。
- 最低限の素材を使用した入れ歯であるため見た目が自然ではない
- 素材が口腔内で劣化を起こす可能性があり、長い期間使用できない
審美性や耐久性というリスクを避けたい場合は、自費診療での入れ歯作製となります。
保険と自費の差はこんな点
保険で作る入れ歯と自費治療の入れ歯には具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。
保険適用内の入れ歯のメリット・デメリット
保険適用内の入れ歯のメリット
- 保険適用なので費用が安い
保険適用内の入れ歯のデメリット
- 人工歯部分が摩耗する
- 義歯床の部分がどうしても変形を起こしやすい
- 義歯床の部分に厚みがあるため、装着の際に不快感・違和感・痛み・えずきを起こしやすい
自費治療の入れ歯のメリット・デメリット
自費治療の入れ歯のメリット
- 材料が豊富で時間をかけて調整された入れ歯が作製できる
- 患者様のお口や歯並びを診療し、歯の色や形に合う入れ歯になる
- 入れ歯の床や歯の仕上がりがよりお口にフィットするように設計できる
- 義歯床を薄く作製できるため不快感が少なく、食べ物の味覚や温度などを感じられる
自費治療の入れ歯のデメリット
- 全て自己負担になるため、保険適用の入れ歯と比べて高額になる
- シリコンなどのオプションを適用すれば、弾力性や噛み心地は更に良くなるが更に料金がかかる
バネなしの入れ歯の特徴を教えて
保険適用外のバネなし入れ歯、ノンクラスプデンチャーの特徴についてご紹介します。
- バネの部分が歯茎とよく似た色の樹脂で造られるため、装着しても周囲の人に目立ちにくい
- 薄くて軽い装着感で柔軟性がある
バネなしの入れ歯は保険適用できるのかに関するQ&A
残念ながら、バネなしの入れ歯は保険適用外であり、自由診療の対象となります。健康保険では審美性を高める治療は対象外であり、自費診療として扱われます。
バネなしの入れ歯を希望する場合、自費診療の入れ歯となり、アクリルレジンや硬質レジンや金属などを使用して、審美性や耐久性を重視した入れ歯が作製されます。自費治療では、患者のお口や歯並びを考慮し、より自然な見た目とお口の中での違和感が改善された入れ歯が可能です。
バネなしの入れ歯（ノンクラスプデンチャー）は金属アレルギーの方にも安心して使用でき、体内で金属イオンの蓄積がないという特徴があります。見た目が自然であり、薄くて軽い装着感があり、柔軟性があるため壊れにくく、他の歯に負担をかける心配もありません。ただし、失った歯の場所や本数によっては、金属で入れ歯を補強する場合もあります。
まとめ
虫歯が悪化して抜歯になり、入れ歯を急に作製することになったという方もおられるでしょう。保険適用内の入れ歯と自費治療の入れ歯には、価格以外に材料や作製時間などの違いがあります。そのため、できるだけ目立ちにくい入れ歯をとお考えの場合は、かかりつけの歯科医師やスタッフに一度相談してみましょう。
- 食事である程度固い食べものを噛むことができる
- 快適にお口の機能性を高められる
保険適用の入れ歯と比べても、自費治療で作製した精密な入れ歯は、安定しているためご満足いただくことができる仕上がりです。
