アスリートはスポーツをしない一般人と比べると虫歯になりやすいと言われます。ハードな運動をするとどうして虫歯になりやすいのかご説明します。
アスリートが虫歯になりやすい6つの理由
ハードな運動をすると虫歯になりやすくなる主な理由は以下の6つです。
- 運動時は口呼吸になるので口の中が乾燥して唾液が出にくくなる
- スポーツドリンクを飲むので口の中に糖分がある状態が続く
- 栄養補給食品には糖の多い食品が多い
- 運動中に食いしばりや噛みしめが起こってエナメル質にダメージを与える
- 運動後の疲労回復のために甘いものを食べたくなる
- プロやセミプロのアスリートは忙しく歯科に通う時間が取れない
1. 運動時は口呼吸になるので口の中が乾燥して唾液が出にくくなる
口内が乾燥して唾液が少なくなると、唾液の持つ様々な作用が働かなくなります。唾液の作用の中でも、虫歯菌が出す酸によって溶かされたエナメル質を再生させる「再石灰化」が行われなくなると、エナメル質は溶けたままになり、虫歯が起こりやすくなります。
2. スポーツドリンクを飲むので口の中に糖分がある状態が続く
アスリートは汗をかくため、水分とミネラルを補給するためにスポーツドリンクを頻繁に飲むと思いますが、スポーツドリンク内には糖分や酸が多く含まれています。糖分は虫歯菌のエサになって酸を出しますし、酸は歯を溶かします。
3. 栄養補給食品には糖の多い食品が多い
スポーツの休憩中などにエネルギーを効率良く摂取するための食品にも糖質が多く含まれているため、これらを頻繁に摂取すると虫歯になりやすいです。
4. 運動中に食いしばりや噛みしめが起こって歯にダメージを与える
スポーツ中に食いしばりや噛みしめの癖がある人は、歯に強い力がかかるため、歯のエナメル質が磨り減って薄くなり、虫歯菌の出す酸で歯が溶けやすい状態になります。
5. 運動後の疲労回復のために甘いものを食べたくなる
激しい運動をして疲れると、糖分を含んだ甘いものを食べたくなります。手早く食べられるチョコレートは特に虫歯になりやすいので、食べた後は歯磨きをするようにしましょう。運動後すぐには磨けなくても、その日の夜に必ずていねいに歯磨きをすることで、虫歯のリスクを減らすことが出来ます。
6. プロやセミプロのアスリートは忙しく歯科に通う時間が取れない
練習や試合で忙しく過ごしている間に、歯がどんどん悪くなるにも関わらず、痛みが出るなどの症状がない限りは歯科に通う時間を優先的に取れないというのも、アスリートに虫歯が多い理由となります。3~4ヶ月に一度の定期健診だけでも受けるようにすれば、歯が悪くなるリスクを減らし、歯を守ることに繋がります。
歯を食いしばることで奥歯がボロボロに
ラグビーやアメフトや格闘技などのスポーツでは、歯を噛みしめたり食いしばることが多く、奥歯を守るために競技中はマウスピースを使います。
プロのアスリートは力を入れる瞬間にどうしても歯を食いしばることが多く、噛みしめる力によって歯が欠けたり割れたりすることがあります。
そのため、アスリートは奥歯が悪い人が多く、奥歯がボロボロのまま放置すると、力が入りにくくなり、身体のバランスが崩れてフォームが悪くなり、良い成績を残せないことがあります。
そのため、食いしばりや噛みしめによって奥歯が磨り減るなどの兆候がみられる場合は、奥歯の治療を受けるとともに、スポーツ用のマウスピースを使うことをおすすめします。
激しい運動による虫歯の悪化に関するQ&A
運動中に食いしばったり噛みしめたりする癖があると、歯に強い力が加わります。これによって歯のエナメル質が削れ、薄くなったり欠けたりします。歯のエナメル質が薄くなると虫歯菌の酸に対する防御が弱まり、虫歯になりやすくなります。
激しい運動後は疲れがたまり、糖分を含んだ甘いものを食べたくなることがあります。特にチョコレートなどは歯にとって特に虫歯リスクが高い食品です。しかし、運動後すぐに歯磨きをするのは難しい場合もありますが、その日の夜に丁寧に歯磨きをすることで虫歯リスクを減らすことができます。
アスリートは忙しい日々を送ることが多いため、歯科に通う時間を取るのが難しいかもしれません。しかし、定期健診は3~4ヶ月に一度受けるように心掛けることで、虫歯の早期発見と予防が可能です。また、食事後に歯磨きをする習慣を持つことや、スポーツドリンクや甘いものの摂取を控えることも重要です。さらに、食いしばりや噛みしめの癖がある場合はスポーツ用のマウスピースを使用することで、歯を守ることができます。
まとめ
ハードな運動をする方は、瞬発的な力を出すために奥歯を噛みしめてしまう傾向があります。ぜひ定期健診だけでもお受け頂き、現在の歯の状態を知り、治療が必要な場合は適切な治療を受けることによって奥歯を守り、出来るだけ健康な状態を保つことが、競技におけるパフォーマンスを上げることにも繋がります。