神経を抜く抜髄の治療には、何回も歯科医院に通わなくてはなりません。その理由についてご説明します。
目次
神経の治療はあと何回必要ですか?
神経の治療には数回の通院が必要ですが、その回数は前歯と奥歯で違います。また、炎症の強さなどによっても回数が違ってきます。
一般的な目安としての治療回数は以下の通りです。
- 前歯:3回くらい
- 奥歯:5~6回(根の数が多くなるため)
あくまでも一般的な回数で、はっきり何回と言えるものではありません。それは、神経を抜く治療は、神経が入っていた根管の中をきれいに洗浄して、消毒薬を入れる治療を数回行う必要があるからです。そして痛みがなく、血や膿が出ない、腫れがないなどの条件を満たした場合に、根管内にもう細菌がいないと判断出来ます。
しかし、順調に神経の治療が進んで、あと数回で終わりそうだという時に、急に痛みや出血といった症状が出る場合もありますので、神経の治療が何回で終わるかを事前に予測することは難しく、患者さんにきかれてもはっきりとはお答えできないのです。
根管内の洗浄が完了した後は根管内に詰め物をして、歯の土台にして差し歯を被せる処置を行います。
神経の治療が難しい歯ってあるの?
神経の治療が難しいのは、歯の根が枝分かれしている歯です。歯の形はもともと一つひとつが違っていて、中には神経の入っている根管が枝分かれしている歯があり、根の先まで洗浄・消毒することが難しい場合があります。
そのような歯が虫歯になって神経の治療が必要になったとしても、なかなか炎症がおさまらず、痛みが取れなかったり、腫れがひかなかったりします。
更に、歯が割れている場合は、完全に割れている場合はレントゲン写真で割れているのが見えますが、ひび割れ程度の場合は、レントゲンで見てもわからないことが多いです。
僅かなひび割れでも、ばい菌は内部に侵入できますので、常に内部にばい菌が入った状態になり、治療をしても炎症がなかなかおさまらないということになります。
歯の根の治療が出来ない歯はどうなるの?
様々な理由で歯の根の治療をしても炎症がとれずに治らない歯があると、その歯は抜歯しなければなりません。抜歯は歯の治療の際夕手段ですので、出来るだけ根管治療で炎症がおさまるように、治療回数がかさむことになります。
歯の根の治療(根管治療)の流れとは?
- 虫歯を全て削り取る
- 更に削って根管まで穴を開ける
- ファイルという専用の器具で歯の根の先端までの感染物質を全て除去する
- 特殊洗浄器具と薬液を使って根管内を洗浄する
- 抗菌作用のある薬を入れて、セメントで仮の蓋をする
根管治療を何回行っても痛みが出る
神経を取る治療を何回行っても痛みが出る場合は、治療出来ていない根管が他にまだ残っていてその中の神経が除去出来ていない可能性があります。
この場合はCT撮影やマイクロスコープを用いた治療を行います。
※CT撮影、マイクロスコープは自由診療となります。
神経の治療にかかる時間に関するQ&A
はい、神経の治療回数は前歯と奥歯で異なります。前歯は通常3回程度の治療が必要ですが、奥歯は5~6回の治療が必要な場合があります。これは、奥歯の根の数が多いためです。
はい、神経の治療が順調に進んでいる場合でも、急に痛みや出血などの症状が出ることがあります。これは、根管内にまだ細菌が残っている可能性があるためです。治療が終わるまでは症状が安定しない場合があります。
はい、神経の治療が難しい歯はあります。特に、歯の根が枝分かれしている歯は根の先まで洗浄・消毒することが難しく、炎症がおさまりにくい場合があります。また、割れた歯も治療が難しい場合があります。
まとめ
神経の治療には回数がかかります。神経の治療を放置してしまうと、歯の根の先に膿が溜まって、その周りの骨が溶けてしまい、抜歯しなければならなくなります。歯茎に炎症があったり進行した虫歯の場合は、出来るだけ早めに歯科医院で処置を受けましょう。