転んだり事故にあったり、または硬いものを噛んで歯が欠けてしまった時にどうしたらいいかご説明します。
目次
歯が欠けた場合の応急処置
歯が欠けた時の応急処置は以下の通りです。
1. 冷静になる
歯が欠けてしまうと気が動転すると思いますが、まずは落ち着いて、冷静に対処することが重要です。
2. 欠けた歯の破片を探す
もし可能であれば、欠けた歯の破片を探し、清潔な布で包んで水分を保ちます。
3. 口を清潔に保つ
口内を水で軽くすすぎ、出血があれば清潔なガーゼで圧迫しましょう。ただし、痛みがある場合は無理にすすがないでください。
4. 冷やす
頬の外側を冷やすことで腫れを抑えることができます。アイスパックを布で包んで、数分間当てると良いでしょう。
5. 痛み止めを服用
歯が欠けて痛みが出ている場合は、市販の痛み止めを服用することも検討してください。ただし、自己判断での服用は控え、医師の指示に従いましょう。
6. 早急に歯科医に相談
早急に歯科医の診察を受けることが大切です。可能であれば、破片を持参し、状況を詳しく説明しましょう。
応急処置は一時的なものであり、最終的な治療は歯科医の診断と治療によって行われますので、必ず受診しましょう。また、歯が欠けた原因によっては、他の治療が必要になる場合もあります。
歯が欠けた場合の注意点
- できるだけ早く歯医者を受診する
- 割れた欠けらを自分でくっつけたりしない
- 歯の欠片や抜けた歯があれば保管して歯医者に持参する
- 欠けた部分を舌などで触らない
- 欠けた場所や大きさによっては保険診療ではできない場合もある
歯が欠けた場合の治療方法
歯の小さな欠けにはレジン充填
歯がほんの少し欠けた時は、レジンで歯が欠けた部分を埋めて表面を滑らかに削ります。
この方法はレジン充填と呼ばれ、保険の適用となります。レジンは歯科用のプラスチックですので、金属やセラミック程の強度はありませんが、歯を大きく削ることなく、歯に馴染む色で修復することが出来ます。
レジンは歯と歯の間などの小さな虫歯の治療にも良く使われます。
前歯の大きめの欠けはセラミッククラウンを被せる
前歯が虫歯等で大きく欠けてしまった場合は、審美性や強度の問題から、保険外診療のオールセラミックやジルコニアで作られた被せ物を被せます。
神経が損傷して痛みが出ている場合は、被せる前に神経の治療が必要になり、通院回数も少し増えます。
歯に被せ物を被せる場合は、歯の周囲をぐるっと削って土台を作って型を取り、歯科技工所で被せ物を作ります。
保険診療での被せ物は、銀歯かプラスチックになります。見た目の審美性や二次虫歯のなりにくさなどで、治療費は高くなりますが、自由診療のセラミックがおすすめです。
歯が大きく欠けてしまうと抜歯になることもある
重度の虫歯や、事故で歯が大きく破損して、歯茎の下の歯根の部分まで欠けてしまうと、歯を抜かなければならない場合もあります。
抜歯すると歯根がなくなるため、もう被せ物での治療は出来ません。抜歯後の治療としては、ブリッジ、入れ歯、インプラントの3種類の治療方法があります。
歯が欠けるのはどういう時?
歯が欠けるのは、遊びやスポーツなどでぶつけた、交通事故などの他に、虫歯、歯ぎしり・食いしばりなども考えられます。
原因がどうであれ、歯が欠けた時にはすぐに治療することが大切です。そのまま放置すると、ひどい痛みに繋がる場合もありますし、いざ治療しようとしても、抜歯しなければならない場合もありますので、早めの治療を心がけましょう。
歯が欠けたときの処置に関するQ&A
歯が欠けた場合、すぐに歯医者を受診することが重要です。自分で割れた欠けらをくっつけるのは避け、欠片や抜けた歯を保管し、歯医者に持参しましょう。また、欠けた部分を舌などで触らず、早めの治療に専念しましょう。
歯の小さな欠けには、レジン充填という方法が用いられます。レジンは歯科用のプラスチックで、歯を削ることなく欠けた部分を埋めて滑らかに修復します。この方法には保険適用と自由診療の両方があり、欠けた部位と欠けた大きさによって決まります。
歯が欠ける原因は、遊びやスポーツ中の事故で歯をぶつけた衝撃や交通事故、虫歯、歯ぎしり・食いしばりなどが挙げられます。欠けた場合は、早めの治療が必要であり、放置すると痛みが悪化することや抜歯が必要になる可能性があるため、注意が必要です。
まとめ
歯が欠けてしまった時は、出来るだけ早く歯科を受診しましょう。割れた欠けらを自分でくっつけてはいけません。必ず歯医者に持参して下さい。
奥歯が割れたり欠けたりした場合は、見えない部分なのでそのままにしてしまう方もおられますが、早めに治療すれば簡単な処置で済む場合もあります。放っておくと噛むうちに欠けが大きくなり、やがて抜歯が必要になる時もありますので、注意が必要です。
歯が欠けた場合の治療に関して、以下の論文を参考に説明します。
1. Scalas (2022) の研究では、前歯の欠けや破損に対して多分野の治療アプローチを取り上げています。この研究では、歯列矯正治療を用いて前歯の修復に必要な空間を確保し、歯周病治療で歯肉の炎症を治療し、保存的な歯科治療によりエナメル質に接着する磁器ベニアを使用して歯の長さを回復し、患者の笑顔を改善しました【Scalas, 2022】
2. Groten (2009) の研究では、歯の変色、摩耗、複数の歯のエナメル質の破損に悩む若い患者を対象に、CAD/CAM技術で製造された全セラミックの修復物で治療が行われました。治療では、歯肉周辺の削減を最小限に抑え、前歯と小臼歯に接着性セラミッククラウンを施し、他の歯にジルコニアベースの修復物を使用しました。この結果、患者の機能的および審美的な結果に満足することができました。【Groten, 2009】
これらの研究から、歯が欠けた場合には、保存的な治療手法や審美的修復を通じて、歯の機能と外観を改善することが可能です。具体的な治療法は、欠けた歯の状態や患者のニーズに応じて選択されます。