歯の着色汚れが気になる場合には、まず歯のクリーニングをおすすめします。クリーニングである程度は着色汚れが落ちますので、もっと白くしたい場合には歯のホワイトニングを行うと良いでしょう。
目次
歯の着色汚れはまず歯のクリーニングで落としてみよう
歯の着色汚れは歯磨きではなかなか落ちません。その際にどうすれば良いのかというと、まず一度歯の定期健診をお受け下さい。
定期健診の際には歯のクリーニングも行います。歯のクリーニングは歯科衛生士が専用の器械を使って歯の汚れや歯垢を除去します。それだけで着色汚れが落ち、1~2トーン歯の色が明るくなる方もおられます。
もっと歯を白くしたいという場合に、ホワイトニングを行うことをおすすめします。まずはクリーニングでどの程度歯の色が白くなるか、実際に受けてみられるのが良いと思います。
歯のクリーニングとは
当院ではエアフローという器械によるクリーニングを主に行っています。
エアフロー(ジェットクリーニング)
エアフローは歯面の清掃を行う機械で、細かい微粒子のパウダーをジェット水流の噴射で歯の表面に吹き付け、バイオフィルムやステイン(着色)を除去します。ワイヤー矯正中の方ならばブラケットの周囲、歯周ポケット、歯間、インプラントの周囲に吹き付けて、水圧とパウダーで落とすと同時に、ツルツルに磨き上げます。
PMTC
歯のクリーニングにはPMTCという方法もあります。PMTCとはProfessional Mechanical Tooth Cleaningの略で歯周治療に該当します。研磨ブラシや研磨カップ、専用の研磨剤を使用して、患者さんの歯を磨き上げます。
口腔内の歯石や歯垢、バイオフィルムを除去しておくと、虫歯や歯周病の予防になり、大変効果的です。
歯医者で行うホワイトニングとは
ホワイトニングは治療ではなく、審美性を目的とするため、保険適用外で自費治療になります。
- オフィスホワイトニング(当院では行っておりません)
- ホームホワイトニング
- セルフホワイトニング
オフィスホワイトニング(当院では行っておりません)
歯科衛生士が歯科医院で行う
オフィスホワイトニングの流れ
- 歯茎にホワイトニングの薬剤が付着しないように保護剤を塗布する
- ホワイトニングの薬剤を歯に塗布し、特殊な波長の光を歯に照射する
- 薬剤は過酸化水素が主成分で光に反応する触媒も使用
- 薬事法により国家資格を持つ歯科医師や歯科衛生士のみが取り扱い可能
- 早く白くされたい方にはおすすめだが、費用は高い
ホームホワイトニング
指導を受けた患者さんが自宅で行う
ホームホワイトニングの流れ
- 歯科医院でホームホワイトニング用の歯並びのトレー(マウスピース)を作製
- トレーに決められた量の薬剤を塗り、歯の表面に浸透させる
- 薬剤は過酸化尿素が主成分で過酸化水素より刺激が弱い
- 薬事法により歯医者でのみ処方可能
- 内部の黄ばみなども落とせ、オフィスと比べて白さを保つことができるが、時間がかかる
セルフホワイトニング
エステやネイルサロンなどで資格を持たないスタッフの指示を受け、自分自身で行う
セルフホワイトニングの流れ
- 専用の歯磨き粉で歯を磨く
- ワセリンで唇を保護し、マウスオープナーで口を開けたままにする
- お口の水分を取り除いて、ホワイトニング溶液を散布
- LEDライトを口に当てる
- 薬剤は酸化チタンや他のものが主成分
- 料金は一番安いが、後戻りや処置の安全性にはリスクが高い
オフィスホワイトニング(当院では行っておりません)とホームホワイトニングを併用するデュアルホワイトニングという方法もあります。
ホワイトニングを受けられない場合
歯医者でホワイトニングを希望されても、一部の人には行えないことがあります。
- セラミックなどの人工歯、差し歯、入れ歯は白くできない
- 知覚過敏・むし歯・歯周病がある方は、先にそちらの治療を済ませたうえで行う必要があります
- 無カタラーゼ症(過酸化水素を分解できる酵素を先天性で欠損)の病気の方
- 歯が成長途中の子供(18歳以下)
- 妊婦・授乳されている方
歯の着色汚れって?
白い歯が黄色く着色汚れを起こす原因は、内側からの内因性、外側からの外因性と二つの原因があります。
内因性の着色
加齢していくと歯の表面にある白いエナメル質が摩耗し、すり減っていきます。加齢によって歯が黄色っぽくなるのは、エナメル質の下にある黄色い象牙質の色が目立つようになるためです。また、遺伝により、先天的に黄ばんでいるケースもあります。
外因性の着色
色素のある食品や飲み物を摂取すると、色素が歯の表面に付着し、ステイン汚れとなります。タバコのタールやヤニ・紅茶やコーヒーに含有されるポリフェノールが、歯の表面にあるペリクルと結合して着色を起こします。
唾液が少ない方の場合に着色を起こす成分が歯に付着したままの状態が続くと、色素が歯に沈みこんでしまいます。ペリクルと結合した状態ならばすぐに落とすことは可能ですが、色素沈着になれば、ご自身の歯磨きで色素や変色を落とすことはできません。
歯医者で着色汚れは落ちるのかに関するQ&A
歯医者でのクリーニングやホワイトニングによって、外因性の着色汚れは効果的に除去できます。タバコやコーヒーなどの色素がついたステイン汚れは、歯科医院で行う専門的なクリーニングによってきれいに落とすことができます。ただし、内因性の着色は遺伝や加齢によるものなので、完全に取り除くことは難しい場合があります。
歯の着色汚れには、内因性と外因性の二つの原因があります。内因性の着色は加齢によるエナメル質の摩耗や遺伝的要因による黄ばみが主な要因です。外因性の着色は、食べ物や飲み物の色素が歯の表面に付着することによって発生します。タバコのタールや紅茶・コーヒーのポリフェノールも歯の着色汚れに関与します。
ホワイトニングは、オフィスホワイトニング、ホームホワイトニング、セルフホワイトニングの三つの方法に分類されます。オフィスホワイトニングは歯科医院で行われ、ホームホワイトニングは患者が自宅で行います。セルフホワイトニングはエステやネイルサロンなどで行われ、自分自身で行う方法です。
まとめ
食生活でワイン・お茶・紅茶・コーヒー・タバコ等、歯にステインが付く習慣の方は多いです。着色汚れをホワイトニングで落としたい場合、歯医者さんへ相談しましょう。ホワイトニングが可能な歯周組織か、ドクターに口腔内を診断してもらい、治療が必要ならば先に済ませることが大切です。それを怠ると、ホワイトニング時に痛みやしみるなどの症状が出てしまいます。