インプラントは3つの部位で構成されています。それぞれについてご説明します。
インプラントの3つのパーツ
インプラントは一般的に3つの部位から構成されています。
- 人工歯根(インプラント体)
- アバットメント(支台)
- 上部構造(被せ物)
1.人工歯根(インプラント体)
インプラントの土台となるのが、チタン製の人工歯根(インプラント体)です。メーカーによって長さや太さに違いがあり、担当医が患者さんにピッタリなサイズを選びます。
人工歯根はかなり小さく、直径約3~5mm、長さ約6~18mmの様々な種類と長さがあります。顎骨の状態や埋入する部位によって、太さや長さが決まります。
人工歯根には、身体に馴染みやすくアレルギーを起こしにくい「チタン」と呼ばれる金属が用いられています。
この人工歯根を顎骨に埋め込み、インプラントの土台とします。
2.アバットメント(支台)
人工歯根を上部構造を連結するためのパーツが、アバットメントです。使用するインプラントのメーカーや種類によって、人工歯根と上部構造を連結するための固定方法が違います。
インプラントの種類によっては、アバットメントのないワンピースと呼ばれるタイプのインプラントがあります。
- スクリュー(ネジ)で固定
- 接着剤で固定
1.スクリューで固定
スクリューで固定する形の人工歯根と上部構造の場合は、スクリュー(ネジ)を使って固定します。スクリューを外せば部品を取り外してインプラントのメンテナンスが出来ますが。ネジが緩むことがあり、その場合は早めに歯科医院に行って締め直してもらう必要があります。
2.接着剤で固定
普通の被せ物と同じように、上部構造を接着剤で固定します。接着剤で固定すると、上部構造とアバットメントを取り外してのメンテナンスが出来ませんので、メンテナンスのためにスクリュー式を選ぶ歯科医師もいます。
3.上部構造(被せ物)
人工歯根の上にアバットメントを取り付け、その上に上部構造をスクリューで固定、または接着します。
スクリュー式の上部構造(被せ物)には、スクリューで固定するための穴があいています。この穴はレジン(歯科用プラスチック)などで塞ぐことが出来ますので、穴に食べ物が詰まったりすることはありません。
インプラントの人工歯根・アバットメント・上部構造に関するQ&A
インプラントの人工歯根は、身体に馴染みやすくアレルギーを起こしにくい「チタン」と呼ばれる金属が用いられています。
アバットメントは人工歯根(インプラント体)を上部構造と連結するためのパーツです。一部のインプラントにはアバットメントがないワンピースタイプも存在しますが、一般的には使用されます。
上部構造はアバットメントの上に取り付けられ、スクリューで固定するか接着剤で固定します。スクリュー式の上部構造には固定用の穴がありますが、これはレジンなどで塞ぐことができるので、食べ物が詰まる心配はありません。
まとめ
人工歯根、アバットメント、上部構造についてご説明しました。これらは担当医が、患者さんお一人おひとりの骨の状態や失った歯の部位にぴったりのサイズや形状を選んで、患者さんの顎骨に埋入します。上部構造は患者さんのご希望でセラミックやジルコニアなどの材料を選ぶことが出来ます。
インプラントの3つの主要なパーツ、すなわち人工歯根、アバットメント、および上部構造に関して、以下の2つの論文が参考になります。
1. 【Rahmati, Kheirollahi, & Azari (2013)】の研究では、歯科インプラントの設計と解析が行われています。この研究では、フィクスチャー(骨に埋め込まれるインプラントの部分)、アバットメント(フィクスチャーに取り付けられる加工されたテーパー状の上部構造)、そしてクラウン(上部構造)など、インプラント治療におけるいくつかの重要なパーツについて言及しています。
2. 【Rajendran, Shamnadh, & Dileep (2014)】による研究では、デンタルインプラントの応力解析が行われており、インプラント自体、アバットメント(インプラント装置を人工クラウンに接続する部品)、および上部構造(クラウン)の3つの主要な部分が詳述されています。インプラントは主にチタン製で、骨と直接融合する特性を持っています。
これらの研究から、歯科インプラントは人工歯根(フィクスチャ)、アバットメント、および上部構造(クラウンなど)の3つの主要な部分から構成されており、これらは合わせて患者の咀嚼機能を回復するために使用されることが理解されます。